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高卒でもMBA!大卒資格なしでもMBAの受講資格はあるのか?

(この記事は2024年1月13日に更新されました)

大学に行ってないけど、MBAを取れないだろうか...?

 

この記事では高卒社会人(学士なし)でもMBAに行けるのか? 

をテーマに、

1. 要項的側面(大学院はなんといっているのか?)

2. 能力的側面(学びについていけるのか?)

について記載しています。

この記事でわかる事

1. 大学院でMBAを学ぶ際に求められる最低限の要項的な内容

  →22歳以上であること

  →(2-7年以上の社会人経験があること)

2. MBAで学び始める上でどのくらいの知識/経験が求められるのか

  →論理的・批判的思考力があれば十分について行ける

  MBAで学ぶヒト・モノ・カネに対する知識はなくて大丈夫

  →あとは食らいついていく情熱があればOK

どんなに学びたくてもその大学院が受け入れてくれる状態でなければ受講資格もありません。

もちろん高卒(広く大卒資格を持っていない人)と言えども様々な方がおられますので、国内MBAの要項を紹介しながら考察を記載していきます。

 

結論として(例外はありますが)、多くの場合22歳以上が最低の要項で、社会人経験の年数は大学院によるようです。

 

実際に高卒の私も、二つの大学院から受け入れてもらえました。

 

 

しかし学びに挑戦はできそうだ、と言っても、高卒で働きだした私は、

MBAを履修している人なんて、とんでもないビジネスモンスターばかりなんじゃないか...

という恐怖心もありました。。。

 

よって後半ではMBAでの学びについて行けるのか、という問いを

・どのくらいの知識/スキルが入学時点で求められるのか

という観点で考察していきます。

 

ちなみにどのくらいの知識/スキルが求められるのか、という観点は学ぶ場所によって大きく左右されます。*1

本ブログは社会人になって学び出す人へ、をテーマとしているため、国内MBAに主眼を絞り記事を書いています

 

 

1. 要項的側面(大学院はなんといっているのか?)

大学院でMBAを学ぶ際に求められる最低限の要項的な内容

  1. 22歳以上であること

  2. (2-7年以上の社会人経験があること)

 

1-1. 国内MBA募集要項からの考察

以下は調査の内容です。興味のある方は目を通してみてください。

 

A. グロービス経営大学院 (国内最大手MBA)

入学時点において、企業・官公庁等における原則2年以上の社会人経験を有し、以下のいずれかに該当する方とします。

1. 大学を卒業した方
2. 大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された方
3. 外国において学校教育における16年の課程を修了した方
4. 外国の学校が行う通信教育を我が国において履修することにより当該国の16年以上の課程を修了した方
5. 我が国において、外国の大学相当として指定した外国の学校の課程(文部科学大臣指定外国大学日本校)を修了した方
6. 外国の大学等において、修業年限が3年以上の課程を修了することにより、学士の学位に相当する学位を授与された方
7. 指定された専修学校の専門課程(文部科学大臣指定専修学校専門課程一覧)を修了した方(「高度専門士」の称号を付与された方)
8. 本学において、個別の出願資格審査により認められ、22歳に達した方

  1. 入試概要・募集要項|グロービス経営大学院 創造と変革のMBA

1で大学を卒業した方、と書ききっていますが、8にて抜け道を用意してくれています。その後プルダウンのメニューを開くと、以下の記載があります。

 

出願資格審査

4年制大学を卒業していない方等で、出願を希望される場合は、出願に先立ち書類による「出願資格審査」を行います。
出願資格審査では、大学を卒業した方と同等の学力を有していることを個別に審査します。
これまでの学歴、職歴、保有する資格、業績、学会・協会・社会・研究等における活動などをもとに総合的に判断いたします。

 

つまり、誰からでもあきらかな資格もしくは時間的な要項としては、

・2年以上の社会人経験があること

・22歳以上であること

のみということのようですね。

 

そして、実際に入学して学ぶためには大学を卒業した方と同等の学力を有していることを証明する必要があるようです。

 

B. 立命館大学 経営管理学科研究科 (国内私立MBA)

(1) 大学*を卒業した者または本研究科入学までに卒業する見込みの者
*学校教育法第 83 条の大学(わが国の大学における学部の正規の課程)

……

⑿ 本学大学院において、個別の入学資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、22 歳以上の者または本研究科入学までに 22 歳に達する者(* 3)

入学試験要項 | 立命館大学ビジネススクール(大学院経営管理研究科) | 立命館大学

 

グロービスと同じく、(12)で抜け道を用意してくれています。

長いので引用は割愛しますが、(12)のルートを通りたいのであれば、個別審査を行うので、早めに連絡してね。

とのことが記載されています。

 

こちらも同じく22歳が境界線のようですね。

おもしろいのは立命館は2年の社会人経験を求めていないこと。このことから立命館はより学術的な面にFocusしており、グロービスは実務的なのかな?のような考察もできますね。

 

C. 名古屋商科大学 NUCB

社会人大学《経営教育》とは? | 名古屋商科大学 - AACSB国際認証校

こちらは実務経験7年以上との記載があります。

他の二つに比べるとかなり長いですね。

 

D. その他有名大学院

早稲田大学MBA / 一橋大学MBA慶応義塾大学MBA

22歳以上であること

 

1-2. 22歳という年齢のボーダーに関して

22歳以下の方はMBA取得が非常に難しいのですが、そこは高卒で働きMBA取得を目指す方に対して大きな障害にならないと考えています。

理由は以下の2点です。

 

A. MBA という専門性から

Master of Business Administration(経営学修士)は、経営に関する関連知識を体系的に学んでいきます。

18歳で高校を卒業し22歳になるまでの4年間、企業で雇われで働いていたとしても、まだまだたくさん学ぶことがあるかと思います。

自分で起業している方にとっても事業が波に乗ってきたかな?というくらいではないでしょうか?

MBAの学びの中では、自身の経験を抽象化し学んでいくことで学びが深まるので、私は自分ができる範囲でなるべく多様な経験を積んでからMBAに進まれることをおすすめします。

 

B. 学び合う仲間からの観点から

海外・国内MBAにそれぞれどんな人がいるのか の記事でも触れましたが、パートタイムのMBAには20代の生徒はとても少ないです。

このご時世、多様性という観点から全く悪いことではないのですが、意見を交わし合う相手が、自分の働く環境と全く違うということは得られる学びの質にも大きく関わってきます。

1-3. ちなみに例外も...

もしも「USやUKのMBAを取りたい!」

と思っておられる方ですと、高卒から直でMBAはかなり難しいです。

私ケイも英語 x Online x MBAで考えたときにやはりUSかUK、もしくはオーストラリアのMBAだな、と思っていたのですが、海外MBAはbachelor degree を持っていないと門前払いでした。

何通か問い合わせのメールを送りましたが、丁寧にお断りされてしまいました。。

 

こちらについてはまた別途記事を書きますが、英語でOnlineでMBAを学ぶとなると高卒の私の場合、選択肢はGLOBIS 経営大学院のみでした。

MBAの学校を選ぶ際に検討すべき要素は以下を参照ください。

learnsmarter.hatenablog.com

 

2. 能力的側面(学びについていけるのか?)

1.要項的側面(大学院はなんといっているのか?)の結論は、

22歳以上であることおよび2-7年以上の社会人経験があることでした。

特に学士は持っていなくとも、大学卒業と同等の能力であることを審査の中で証明できれば学ぶ機会(に挑戦する権利)を与えてくれます。

 

でも大学院で経営学を学んでいるような人たちについて行けるんだろうか。。 入学までにどんな知識やスキルを持っていればいいんだろう...?

 

2.能力的側面では、高卒社会人はMBAでの学びについて行けるのか、という問いを

・どのくらいの知識/スキルが入学時点で求められるのか

という観点で考察していきます。

 

結論:  高卒社会人はMBAの学びについていけるのか?

・論理的・批判的思考力があれば十分について行ける

ただしこのスキルが不足していると入学も認められません。

つまり、大卒と同等の能力を持っていることの証明はこのスキルにて行われるといってよいと思います。

MBAで学ぶヒト・モノ・カネに対する知識はなくても大丈夫

ただし実際の経験があると学びがより深まるので社会人として企業のValue Chain全体に触れておくとなよいです。

・その他スキルは些細なことなので本気になってからやったら間に合う

・あとは食らいついていく情熱があればOK

 

2-1. そもそもMBAとは何を学ぶところなのか?

こちらについて詳しく記事を記載していますので、「MBAってなんだっけ?」という方は目を通されることをおすすめします。

learnsmarter.hatenablog.com

ざっくり言うと

経営に関する知識を体系的に学べる+それを実践できる力を身につけれる教育機関

ということですね。

経営に関する知識はヒト(人的資源管理/リーダーシップ/組織) / モノ  (経営戦略/マーケティング) / カネ (会計/ファイナンス)というフレームワークで整理できます。

 

2-2. どのくらいの知識とスキルをもっていたらいいのか?

冒頭でも触れたようにどのレベルの知識/スキルが必要になるのか、は、学ぶ場所とクラスメイトによって大きく変わってきます。

ここでは国内私立MBAと国際MBAの双方を経験した私ケイの経験から国内MBAで一般的に入学時点で求められるレベルについて言及したいと思います。

 

A. ヒト・モノ・カネに関して

この3つは特に入学時点では知識として持っていなくてもOKだと思います。

そもそもこれを学びに行くところだとも言いかえれますね。

ただし、3つの領域共に、経験があると学びが深まることは間違いないです。

 

ヒトに関しての経験

例えば、

山本さんはなんでいつもモチベーションがないんだろう?

製造部と営業部ってなんでこんなにうまく連携がとれていないんだろう?

など、普通に働いていたらぶつかるような状況を真剣にとらえて考えたことがあれば、MBAのクラスでも、大きな学びが得れると思います。

人事部しか取り扱わないようなものではなく、組織がうまく動作するためにリーダーとして知るべき内容がテーマになります。

 

モノに関しての経験

経営戦略をしている人は少ないと思いますが、営業などでマーケティング/セールスを経験されている方は多いのではないかと思います。

ただし、マーケティングの戦略面を経験されている方は少ないのでわりとクラスメイトのスタート地点に差はないと感じました。

 

個人的には経営戦略・マーケティング共に理論的なことを習得するにあたり、論理的思考力と批判的思考力が占める割合が非常に大きいと考えます。

 

私はFive force analysisやPEST分析など聞いたこともなく、マーケティングのマの字も知りませんでしたが、初めてとったMBAのコース、「経営戦略およびマーケティングの基礎」で幸いなことにA判定 *2を貰うことができました。

 

カネに関して

カネに関しては全く問題ありません(?)なぜなら7割の生徒はカネに対してほぼ知識を持っていないからです

大体会計、ファイナンスのクラスの始まり(Numbers って言いますね)には教授が「Numbersに苦手意識のある人は?」と聞いたりします。

半分くらいが手を挙げて、教授もアレルギーが起こらないように最初は気を使ったりしてるようです。

特に大企業に勤めていると管理職以外は予算管理をすることもないですし、、私もまったく知識を持ち合わせていませんでした。

間違いなく苦労はしますが、大半のクラスメイトが苦労をするので助け合える仲間がいるのは大きいです。(私も苦労中です...)

 

B.共通スキル に関して

モノに関するところで触れましたが、論理的・批判的思考力が学びを深める上で非常に重要になってきます。

その他共通スキルに関して、基礎IT・基礎統計ともに0からでも毎日1時間勉強すれば1.5カ月ほどで取得できるでしょう。

 

論理的・批判的思考力に関して

論理的・批判的思考力に関しては鍛えるのがとても難しくさらに時間がかかります。

特にそれらの取得を難しくしているのが、Feedbackなしでは鍛えれない=師匠が必要というところにあるかと思います。(自分が論理的でないことにひとりで気付くことは難しい。)

 

論理的思考に関する書籍はたくさん出回っているのでぜひ書店で自分の論理的思考力を試してみてはいかがでしょうか?

 

ちなみに私が経験した国内私立MBAでは科目履修の受講資格を得るためにエッセイを提出する必要があり、論理的思考力を見ているようでした。

現在学んでいる国際MBAでは論理的思考力を試すテストエッセイが入学試験として実施されました。

大学院からしても入学時の判断に論理的思考力に一番重きを置いているといってもよさそうですね。

 

基礎IT/統計のスキルに関して

基礎的なパソコンを使うスキルは必須になりますね。

ここので基礎的とは

・Power Pointでプレゼンテーションをつくれる

Excel で標準的な関数を組んで演算ができる

くらいのもので、何もPythonでAutomationが組めるくらい、というわけではないのでご安心ください。*3

 

あとは基礎ですが統計も重要になってきます。

ここでの基礎とは、

正規分布がなんとなくわかる

標準偏差がなんとなくわかる

仮説検定などは科目によっては出てくるかもしれませんが、1年次では特に問題ないかと。

ちなみに正規分布標準偏差なにも知らなった私でも統計学が分かる(いわゆるハンバーガ統計学)を読んでExcelで演習問題を進めていると理解できました。めちゃくちゃ良書です。


 

統計検定3級*4なんかもあるんですが、あんまりおもしろくないのであまりお勧めしないです。

ハンバーガ統計学をマスターしてたら統計3級でも70点くらいは取れるかと。

 

C. 書ききれていないスキルやMindsetに関して

もちろん英語でMBAを履修する場合、英語の試験のスコアは必要です。

心持ち、わからないところにかじりついていく根性があるか、そもそもMBAを通して自分はなにをしたいのかも、もちろん大事です。

こちらもブログのテーマである学びの"やる気"につながるパートなのでいずれ記事を書いていきます。

 

大学側からすると、MBAは卒業生の活躍が一番の宣伝材料になる、ということもあり、MBAを取得した後に何がしたいのか。ということも入学の際に大きく重視されます。

 

(ちなみに...)なんだかんだ言って体験してみるのが一番早い

多くのMBAスクールは科目履修という形で1科目だけ体験できる機会を提供しています。

高校を卒業し大学にもいかずに働いている私も、経営学を学んでいるようなビジネスモンスターたちと対峙できるか不安だったので、初めは科目履修に行ってみました。

 

こちらで科目履修について詳しく記載していますので参考にしてください。

learnsmarter.hatenablog.com

まとめ

この記事で届けたかった事

1. 大学院でMBAを学ぶ際に求められる最低限の要項的な内容

  →22歳以上であること

  →(2-7年以上の社会人経験があること)

2. MBAで学び始める上でどのくらいの知識/経験が求められるのか

  →論理的・批判的思考力があれば十分について行ける

  MBAで学ぶヒト・モノ・カネに対する知識はなくて大丈夫

  →あとは食らいついていく情熱があればOK

論理的・批判的思考を身に着けるには、長い期間と優秀な師匠が必要です。

普段の生活から意識し続けないと伸びないのですが、どんな仕事でもかならず役に立つスキルなのでもし自信がなければMBAに挑戦する予定がなくとも強化に向けて動き出すことをおすすめします。

 


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この記事を書いた人

 

ケイ

  • 外資系大手 Project Manager
  • 高卒→製造ライン→経営企画室
  • 国内私立MBA単科履修
  • 国際MBA履修中
  • TOEIC L&R 220→950(独学)

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*1:例えばMBAの世界最高峰のビジネススクールであるハーバード大学Rage against the Machine のTom Morrelo, 競争の戦略の生みの親でもあるMichael PorterもHBS卒業生 )で学びたいと考える人と、一般的な私立国内MBAではご想像の通りです。

*2:*クラスの上位10-15%が得られる評定

*3:*たまにExcelで簡単な演算も組めないクラスメイトもいます。

*4:大学卒業レベルの統計の知識と言われています

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